「心音」さんが評価した漫画

押見修造先生特有の、読んでいるこっちが辱しめを受けている様な、もどかしい感じがします。7巻までの時点で一人一人の好き嫌いが明確に表れそうですが、是非とも最後まで読み通して欲しい作品です。読み進めて行く内に所々突っ込みたくなる所もあるかもしれませんが、個人的には物凄く面白かったです。この作品の中心的人物には行動原理が理解不能でいて不毛過ぎる人物しかないですが、そこに惹かれました。個人的にこの漫画の読後は『気持ち良かった』。過去にあったトラウマ的出来事を乗り越えた最終巻は感動すら覚えました。押見修造先生の作品は、初期作品だろうと、どれを読んでも、個人的に面白かったんです。
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個人的には怖すぎず、オカルト感の強い作品だと思っています。各話各話での独立した話に思え、実は一貫性があったり、あるエピソードの結末から始め、徐々にその結末への経緯を描いているのは面白いです。『恐怖』というより、得体の知れない生物が出てくるあたりから、やはり読後の不気味さ、余韻を楽しむ漫画だと思います。心を惹き付けられる、魅力溢れる作品です。
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表紙やタイトルの割に、内容は至ってハードではありません。東京23区の姓を持つ23人の主人公＋(立川市)が繰り広げる、いわゆる『欲望群像劇』なのですが、各々そんなに執着した『欲望』でもなく、生半端な感じもします。原作が小説という事もあり、主人公枠24名が各々どこかで関係を持っており、終盤に向けて各々が収束していく、という作りは面白かったです。『主人公枠が東京23区の姓』という設定はその人物に地名との関連性がある訳では無いので、あっても無くても問題は無いと思いますが、個人的にこの作品のこういう厨病的な要素も好きなので、◎。特に読んでいて興奮したり、心を打たれたりする漫画でもありませんし、心理戦も目新しいものでもありませんでしたが、最期主人公枠全員集合での、投げやり感が否めない終わらせ方もなんか好きでした。続編はまだ未読ですが、続編に続かなくてもいいオチではあると思うのですが・・・。とにかくよく分からないけど、好きです。
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実に読みやすい作品に仕上がっています。画力、コマの割り方、ストーリー、心情描写、どれを取っても一級です。こんなにも素晴らしいヴァイキング漫画、もっと評価されていいと個人的に思います。『5』評価でも良かったのですが、現時点でまだ未完結ということで、『4』評価と恐縮ながらもさせて頂きます。
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